テレビでもニュースになり、すでに生産されている多くの食材が廃棄される状況に迫られています。
食品ロス、食材廃棄、と耳にすると「もったいない…」と感じてしまうかもしれません。
しかし、コレはある意味で「過剰生産、大量生産、大量消費」を見直すいい機会だとも思いませんか?
今回はコロナにおける、食品ロスの現状と解決の一助となる方法をシェアしたいと思います。
コロナの影響で生産した食料が余剰し廃棄される状態に…
コロナの影響で、各種イベントや外食産業、学校で使われる予定だった食品が消費されず、行き場を失っています。
東京の「門倉農園」は、毎月3.5トンの小松菜を生産し、3トンを学校給食に、0.5トンを百貨店のイベントに出荷していたそうです。
ですが、3月、4月の休校と百貨店の休業により、ほとんどの小松菜を廃棄する事態に陥りました。
生産できても消費できない今の状況は、生産者の立場からすると本当に苦しいものと言えるでしょう。
なぜ?食料が余剰している3つの理由
飲食店の需要低下と倒産により大量の余剰が発生
コロナの影響で高知県の養殖のブリが28万匹余っています。一年半愛情を込めて育てた一級品ブリを、廃棄せず少しでも皆様の食卓に届けたいです。通常5280円を原価ギリギリの3310円、送料無料でお届けしますので応援宜しくお願いします。#フードロス削減https://t.co/oCwZHl5t9f pic.twitter.com/2ylBidszgC
— 高知かわうそ市場 (@kawausoichiba) November 12, 2020
コロナ禍では、「密」を避けるための外食控えや会合控えによって、飲食店の需要が少なくなっています。
そして、飲食店の需要が減り、飲食店自体が無くなると、飲食店で使われるはずだった食材が使われなくなり、余剰食材が発生します。
実際に、飲食業界では新型コロナの第1波が襲った2020年1月から3月には219の企業が倒産しました。
これは、前年同期と比べて23.7%多い数字です。
また、新型コロナ流行の第2波にあたる7月から9月にも、前年同期比14.4%増の237件の倒産がありました。
休業支援金などの対策は取られていますが、飲食業界にとっては厳しい状況が続いていることがわかります。
海外旅行客が皆無になり需要が激減
感染症対策として渡航制限が行われたため訪日外国人の数が減り、旅行者の飲食需要も激減。
訪日外国人に提供されるはずだった和牛や海産物などの高級食材が余っています。
訪日外国人の飲食費は2019年で総計1兆400億円にものぼります。
ですが、2020年9月の訪日外国人数は2019年9月と比較して99.4%減と、訪日外国人の飲食消費はほとんど見込めない状態となりました。
海外からの旅行客に頼ってきた観光地にとっては、今回のような渡航制限は大ダメージになり得ることが伝わってきますね。
学校の休校で学食や給食が不必要に
新型コロナ感染拡大を受けて、2020年3月から5月まで全国の小・中・高が臨時休校し、給食の需要がなくなりました。
また、大学もほとんどがオンライン授業になったことで、学食の需要が減っています。
そのため、給食・学食に利用される予定だった食材が余ってしまったのです。
特に深刻だったのは給食の定番とも言える牛乳の余剰です。
3月から5月の一斉休校で6万トンの余剰牛乳が発生したとの調査結果も出ています。
小学生だけでも全国に630万人いることを考えると、給食がなくなることで多くの余剰食材が発生してしまうのも納得です。
行われている対策3つ
学校給食に使われる食材を一般販売(送料無料)
「うまいもんドットコム」は、食品ロス対策として、給食に使われる食材を一般向けに販売しています。
肉や魚の加工品から調味料までさまざまな食品をお得な値段で購入しながら余剰食材を減らせるのが嬉しいですね。
なお、このサイトは農林水産省からの支援を受けており、配送料が無料なのも特徴です。
この機に、懐かしの学校給食メニューを楽しんでみてもよさそうです。
うまいもんドットコム「食べて応援!学校給食キャンペーン」公式サイト>
#元気いただきますキャンペーン で送料無料
「#元気いただきますプロジェクト」は、余剰の国産食材を一般向けに販売するプロジェクトです。
このプロジェクトには楽天市場やAmazonなども含め、150以上のオンラインショッピングサイトが参加。
神戸牛や北海道産のカニなど、普段はなかなか味わえない高級食材を格安で購入できます。
我が家で高級旅館で食べるようなご飯を楽しみながら、余剰食品に悩む生産者を応援できる絶好のチャンスです。
フードバンクに集めて困っている人に分配
余剰食材を商品として売り買いするのではなく、困っている人々に届ける活動も行われています。
余剰食材や廃棄食材を引き取り、DV被害者のためのシェルターや路上生活者に届けているのが、「SECOND HARVEST(セカンドハーベスト・ジャパン)」です。
今年は、コロナ禍で困窮している大学生のため、東京農業大学で2度のフードパントリーを開催。
生活の助けとして、留学生を含む300名あまりにレトルト食品や飲料などを無料で配布しました。
余ってしまった食材を有効活用し、コロナの影響を受けやすい社会的弱者の支えにもなる活動ですね。
SECOND HARVEST(セカンドハーベスト・ジャパン)公式HP>
【まとめ】余剰してしまうも、「過剰生産、大量生産大量消費」を見直すいい機会かも?
食料は、生活に必要なものだけど、いままでの大量生産・大量消費、大量廃棄を見直すいい機会かもしれません。
しかし、あなたが大切にしている食材や、今後も必要としている食材を応援することは大切なこと。
あなたに必要な食べ物や企業を食べて応援しましょう。
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