外国人が日本に来てまず驚くのが「日本では蛇口をひねれば安全な水が飲めてスゴイ!うちの国ではあり得ない!」と驚かれますが、それはもう昔のことかもしれません。
世界中の水道水からマイクロプラスチックが発見され、その各国の検出された割合の高さには驚きが隠せません。
そして、日本ではマイクロプラスチックが含まれているかどうかの検査すらされていないというのが現状です…
日本の水道水は綺麗で安全だと言われてますが、果たしてナノサイズの微細なマイクロプラスチックまで除去できているのでしょうか?
また、マイクロプラスチックは体内から発見されていても、現状では体内に侵入しても排泄されるため影響がないとも言われています。
しかし、子どもたちが水道水を飲み続け、マイクロプラスチックが体内に溜まり、有害物質が体内に溶け出してしまった場合のことを考えると、
「このまま水を飲ませても本当に大丈夫だろうか・・・・」
「子どもたちの体に何か影響があったらどうしよう」
と、子供の健康に影響があるのではないかと、不安になってしまいますよね。
この不安を少しでも解消し、安心して水を飲むには自宅で水道水を浄水することです。
ナノサイズのマイクロプラスチックを水道水から除去するフィルターと浄水器も紹介します。
ペットボトルじゃなくても!水道水からマイクロプラスチックが検出
出典:theguardian
マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界中で問題になっていますが、マイクロプラスチックによる環境汚染は、海だけの問題ではありません。
ペットボトル飲料水でもマイクロプラスチックが見つかっており、さらにミネソタ大学などの研究グループの報告によると、世界14カ国で採取した水道水159サンプルを調べた結果、13カ国の水道水からマイクロプラスチックが発見されていました。
ちいなみにWHO(世界保健機構)が2019年に発表した内容によれば、
上下水道の処理施設では、マイクロプラスチックよりさらに小さく、健康に悪影響を及ぼす病原菌や化学物質も除去することが可能。
飲料水に含まれるマイクロプラスチックは、現状では健康に危害を及ぼすことはないとみられる。
情報元:日経新聞
という報告がされおり、特に「上下水道が整った先進国では水道水からマイクロプラスチックを摂取する心配性はない」という見解です。
しかし、オーブ社の調査からは、驚くべき結果が発表されています。
アメリカでは94%の水道水からマイクロプラスチックを検出
Aはインドの水道水でBがアメリカの水道水から見つかったマイクロプラスチックの1つです。
The US had the highest contamination rate, at 94%, with plastic fibres found in tap water
引用:TheGuardian
アメリカの水道水が最も混入率が高く、アメリカのあちこちで採取した水道水の94%からマイクロプラスチックが見つかっています。
ヨーロパでも72%の水道水からマイクロプラスチックを検出
European nations including the UK, Germany and France had the lowest contamination rate, but this was still 72%.
引用:TheGuardian
イギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国は水道水の72%から発見されています。
調査された地域の中で最も低い汚染率を示しましたが、それでも72%も汚染されているのです。
日本は調査していないので不明…だけど…
2019年現在、日本の水道水は調査がされていません。
これだけ世界中の水道水から高い割合でマイクロプラスチックが検出されているのを見ると、水が綺麗な日本でもマイクロプラスチックの混入している可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
マイクロプラスチックのサイズは?極小だとナノサイズも…
出典:UNEP (2016). Marine Plastic Debris and Microplastics.
マイクロプラスチックは基本的に5mm以下の微小なプラスチックを指します。
ちなみに1マイクロメートルは、髪の毛の太さの1000分の1程度で、マイクロプラスチックの中には、さらに小さい電子顕微鏡を使わないと見えないナノサイズ(0.0000000000 001mm)の大きさも存在しています。
さらにマイクロプラスチックは、
- 一次マイクロプラスチック
- 二次マイクロプラスチック
と大きく2種類に分けられます。
出典:UNEP (2016). Marine Plastic Debris and Microplastics.
「一次マイクロプラスチック」は、製品や製品原料として作られた元々小さいプラスチック。
身近なものでは、歯磨き粉の研磨剤やフリースなどの衣類の繊維などがあります。
「二次マイクロプラスチック」は、プラスチック製品が自然環境中で劣化し、粉々になったプラスチックの破片。
ペットボトルやビニール袋などのプラスチック製品が、海洋などに流出し、波や紫外線に晒され、劣化すると発生する場合が多いと考えられています。
水道水に関しては、小さすぎて水をろ過する際に通過してきたものなのか、また化学繊維のようなマイクロプラスチックは室内にも漂っているため混入する経路は1つとは言えません。
マイクロプラスチックは体内からも発見されている
出典:Youtube
2018年10月には、日本人を含むボランティア被験者8人の全員の便からマイクロプラスチックが検出された調査結果が発表されました。
現段階で正確な侵入ルートはわかっていませんが、飲料水、海産物やホコリなどの可能性が高いと言われています。
マイクロプラスチックが体内に侵入しても、ただ腸を通過して体外に出てしまえば人体に悪影響はないとも言われているようです。
しかし、環境ホルモンなどの有害物質が含まれるマイクロプラスチックが完全に排泄されず、一部が体内に溶け込んで蓄積されていったとしたら、体への影響を考えると大変恐ろしいことです。
現在は、具体的な悪影響はないと言われていますが、昔から水を介した恐ろしい健康被害(水俣病、イタイイタイ病など)があったことを考えると、水道水でもできるだけマイクロプラスチックを除去する方法を取り入れると良いのではないでしょうか。
最終的にマイクロプラスチックを除去する方法はフィルターが優秀
世界中の水道水からも日常的に飲んでいるペットボトルのミネラルウォーターからもマイクロプラスチックが発見されているとなると、飲む前に自分たちで再度フィルターを通してマイクロプラスチックを取り除く方法しかありません。
水を浄化する優秀なフィルターがあるので、その種類をご紹介します。
GAC【粒状活性炭】0.005mmサイズのマイクロプラスチックを除去
GAC・粒状活性炭とは、活性炭(樹木や竹、ヤシ殻、石炭など)を水蒸気を吹き込んだ炉の中で焼いた炭を粒状にしたもの。
0.1~0.5mm大の黒い粒状活性炭の表面に微細の孔が無数に空いていて、0.005mmサイズのマイクロプラスチックを孔に吸着して除去することができます。
フィルターとしてはヤシ殻を原料にした活性炭が最も良質で、浄水器によく使われています。
メリット
- 塩素やトリハロメタン、カビ臭やカルキ臭、農薬などが除去できる
- ミネラル分は除去されない
- 比較的安価で使用できる
デメリット
- 交換時期を過ぎると不純物が放出されることがある。
- 交換を忘れると細菌が繁殖しやすくなる
- 除去をすればするほど除去機能が低下する
- こまめなフィルター交換が必要
超マイクロフィルター 0.0001mmサイズのマイクロプラスチックを除去
超マイクロフィルターは、マカロニのように中が空洞になっていて、ポリエチレンやセラミックなどの素材で作られているパイプ状のもの。
このパイプの表面に活性炭よりも小さい穴が無数に開いていて0.0001mmサイズのマイクロプラスチックを除去が可能。
孔の大きさは活性炭の5分の1~10分の1。
メリット:
- ミネラル分は除去されない
- 粒子状の有害物質、細菌、鉄さび、水道水中のアルミニウムを除去できる
- 比較的安価
- 耐熱性があり100℃の熱水でも使用できる
- 薬品にも強い
- 再生使用できる
デメリット:
- 分子状の物質(水に溶け込んでいる金属類、硝酸性窒素類、トリハロメタン、環境ホルモン物質など)は除去できない
- 種類によっては目詰まりしやすい
ROフィルター【逆浸透膜】0.0000001mmサイズのマイクロプラスチックを除去
ROフィルターと呼ばれる「逆浸透膜」は、超マイクロフィルターの100分の1以上に小さい穴が空いているフィルター。
海水を淡水して飲むこともできるフィルターなんです。
この水の浄化方法は、フィルターに圧力をかけて水を透過させ、小さな孔で0.0000001mmサイズのマイクロプラスチックを除去することができる。
他のろ材では除去できない物質も除去できるため、マイクロプラスチックを確実に除去するフィルターとして最も優れています。
メリット:
- フィルター(ろ材)の中で除去能力が最も優れ高機能
- 重金属、ウィルスなどの有害物質も除去が可能
- 細菌、病原菌、トリハロメタン類、ダイオキシン、環境ホルモン、ヒ素、鉛など除去が可能
デメリット:
- 必要なミネラル分も除去されてしまう
- 浄水スピードが遅い
- 排水が出る
- 浄水装置のサイズが大きく場所をとる
- コストがかかる
- メンテナンスがやや面倒
日本でもマイクロプラスチックにも対応した浄水器は?
日本でもマイクロプラスチックに対応した優れた浄水器が販売されています。
家庭用でもコンパクトに作られたものが多いので、どの家庭でも取り入れやすくなっています。
粒状活性炭浄水器
細菌では粒状活性炭単独の浄水器は少なく、他の素材と組み合わせて用いる浄水器が主流になっているため、単独でのデメリットもカバーされています。
カビの発生が心配されるため、カートリッジの交換期限を守る必要があります。
価格帯:15000~20万円
超マイクロフィルター浄水器
近年、浄水器の主流はマイクロフィルターと活性炭を組み合わせたものが主流。
活性炭で塩素・臭いを除去して、中空糸膜、セラミックフィルターで細菌やサビ、カビなどを除去する仕組みになっています。
価格帯:15,000~13万円
逆浸透膜浄水器(RO浄水器)
確実にマイクロプラスチックを除去して、家庭で安心して飲める水を確保したいという方は、高機能な逆浸透膜、RO方式の浄水器が向いています。
逆浸透膜(RO)浄水器を購入する場合に注意をしたいのが水圧!
0.0001ミクロンの細かい孔の逆浸透膜フィルターは、水を高い圧力で押し出しろ過しています。
逆に水圧が弱いと水が通過しにくくろ過能力は低下してしまうので、せっかくの高機能な浄水器も意味がなくなってしまいます。
簡易的なポンプで比較的安価なRO型浄水器もありますが、水圧が低いと浄水器の意味がないので、逆浸透膜浄水器を使用する場合は、ある程度水圧が高いポンプのものを選ぶ必要があります。
またポンプが必要になるため、設置スペースも確保しなければなりません。
価格帯:7万~40万円
マイクロプラスチックがあなたの体にもたらしている影響に驚き… >
まとめ:ポンプ付きの逆浸透膜浄水器が現実的か
ナノサイズのマイクロプラスチックは、浄水器を使用しても防ぐことができない可能性もあります。
現時点では、逆浸透浄水器が最も浄化力に優れ、マイクロプラスチックを除去できる可能性は高いでしょう。
水道水を始めとする環境汚染が、今度の将来を考えると、子どもたちの未来にも不安がつきまといます。
シェアしていただけると、少しでも多くの方にマイクロプラスチックによる環境問題への意識を高めていただけると思います。
https://www.bbc.com/japanese/43411773
ペットボトル入りミネラルウォーターの9割にプラスチック粒子が|ニューズウィーク日本版
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10862.php
Marine plastic debris and microplastics – UN Environment Document[PDF]Anthropogenic contamination of tap water, beer, and sea salt|journals.plos
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0194970
WHO calls for more research into microplastics and a crackdown on plastic pollution
https://www.who.int/news-room/detail/22-08-2019-who-calls-for-more-research-into-microplastics-and-a-crackdown-on-plastic-pollution
コメント
マイクロプラスチックはナノサイズって一概に言われるけど、削れてそれよりも小さくなりますね。
その小さくなった様々なサイズの溶けないプラスチックは、有害物質が溶けなくても、体のあらゆる器官に詰まり、障害を起こすでしょうね。
日本はバカな経済団体主導で事実を隠すきらいがありますが、そんな隠蔽をしてるから後々大きな問題になって返ってきますね。
まるでタコが自分の体を食べながら気づいたら足が無くなって居た事に気付くように。
取り返しがつかないからちゃんと考えましょう。