「老後の生活には、年金以外にも2000万円の貯蓄が必要です。」
ということが、日本の政治からもでていますが、特に若い世代は年金がもらえるのか…と不安になってしまいますね。
そこで知っておきたいのが自分で自分の生活を守るための投資の話です。
ただ、『投資』と聞くと
「巨額の借金をする可能性もある」
「騙されたくない…」
「楽して稼ごうなんて、ろくなやつがすることじゃない」
などと不安や怒り、怖さを感じる人も少なくないはず。
なぜならば、「日本には投資の歴史があまりなく投資リタラシーが低い(投資の知識・経験が極端に少ない)」とも言われているからです。
ただ、投資というのは、適正に行えば、お金を増やすことをしつつ、社会還元、さらには環境問題解決にも貢献できてしまいます。
特にこれから紹介するESG投資については、特に若い世代(Z世代・ミレニアル世代)に人気があり、投資を始めるのにいいきっかけになるかもしれません。
ESG投資とは?「環境に配慮し、社会問題の解決を援助しつつ、利益を出す投資」
ESG投資について簡単にまとめると、以下のようになります。
- ESG投資は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を配慮した投資。
- 日本で307%成長している投資(2016~2018年比)
- 世界で6200兆円もの規模がある投資。
- アメリカのミレニアル世代の投資家86%が「関心ある」と答えている近代的な投資。
ESG投資の意味は
Social=社会
Governance=統治
※統治=リーダーシップを発揮し、目的・問題を達成するために管理・体制を整えること。
簡単に言えば、
環境に配慮しつつ、社会に貢献した、健全で強固な会社やプロジェクトへの投資
です。
※ESG投資は「サスティナブル投資」と呼ばれることもありますが、同じ意味です。
今までの投資は資本主義であり、「利益追求型」でした。
しかし、それだと環境を壊しても、社会的な道理に反していても許されるという部分が無視されていたのが現状です。
でも、なぜ、こんなにESG投資の市場が急成長を遂げているのでしょうか?
それは、ESG投資が主流の投資方法となった流れがあるからです。
ESG投資が成長している背景は「PRI」と「SDGs」
なぜ、ESG投資が成長しているのかというと「PRI(国連責任投資原則)」と「SDGs(持続可能な開発目標)」という2つの世界的な変化にあります。
PRI(国連責任投資原則)でESGの視点を組み入れることが投資マナーになっている
「PRI(国連責任投資原則)」とは、簡単にいうと、
環境にもよく、社会的な問題も解決してくれる健全な企業・プロジェクトに投資をしましょう。
Principles(プリンシパルズ) =原則
Reasonable (リーズナブル)= 合理的な
Investment(インベストメント)= 投資
という国連が提唱した投資原則です。
この原則は6つに別れており、
- 投資分析と意思決定のプロセスにESG視点を組み入れる
- 株式の所有方針と所有習慣にESGの視点を組み入れる
- 投資対象に対し、ESGに関する情報開示を求める
- 資産運用業界において本原則が広まるよう、働きかけを行う
- 本原則の実施効果を高めるために協議する
- 本原則に関する活動状況や進捗状況を報告する
投資をするにあたり、この6つの原則が適用されることになったのでESG投資は急成長を遂げています。
SDGsを知ればESG投資も儲かりやすい?
さきに「SDGs」について簡単に説明しておくと
Sustainable(サスティナブル) = 持続可能な
Development(デベロップメント)= 開発
Goals(ゴールズ)=17つの目標
のことです。
目標の内容を簡単にいうと、
- 資源や環境をまもるためにも資源を再利用しよう
- 地球温暖化を防ぐために、化石エネルギーから再生可能エネルギーに移行しよう。
- 持続的に発展できるように開発をしよう。
とう内容です。
なぜ、このSDGs(持続的な開発目標)がESG投資と関係があるのかというと、SDGsを考慮した商品にニーズが高まり売れている事例があるからです。
例えば、
家庭用品を販売するユニリーバ社が出した「Sustainable Living Brands」という環境に配慮したブランドは、他のブランドよりも69%成長している。
大手ホテル予約サイトのBooking.comのアンケート調査によれば、「環境を配慮した旅行がしたい」、「観光地が持続的に運営できるようにお金を還元したい」などの5項目において平均して57.8%の旅行者がサスティナブルな旅行に関心が高いことがわかった。
モルガン・スタンレーの持続的な投資研究所によれば、サステナブル市場は980兆円にも及ぶとされており、環境を配慮したESG投資への流れが加速することが考えられます。
実際に日本では2016~2018年の間に740%以上成長した分野もあります。
今のうちに日本での成長株を見つけておきたいですね。
ESG投資をする前に知っておくべき7つの戦略
でも、実際に投資をする時には
「どれがESG投資の物件なのか?企業なのか?」
と、右往左往してしまうのが現実です。
そこで知っておきたいのが、全世界のESG投資の統計を管理しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)が定義する7つのESG投資戦略です。
↑日本で今、最も成長している投資手法順に紹介したいと思います。(2016~2018比)
【成長率740.8%】EGSインテグレーション(ESG統合)
日本のESG投資の中で最も伸びている投資方法です。
投資は、お金を増やすことを目的とするため、財務情報を判断することは重要ですが、ESGインテグレーションは、財務情報だけではなくESG情報も含めたり、銘柄評価の中でESGの観点が考慮されていたりするかが重要な判断基準になります。
成長率が高いのですが、分析には専門的な知識が必要となります。
【成長率670.2%】ネガティブスクリーニング
ネガティブスクリーニングとは簡単に言うと、ESGの規範に反する企業を排除して投資を見分ける方法です。
例えば、武器の製造企業、原子力発電企業、低賃金で過酷な労働を強いる企業、アルコール・タバコ製造企業、ギャンブルを支える企業などが排除されます。
環境や社会に悪影響を与えると思うものへの投資を避けることもできます。
【成長率368.8%】国際規範に基づくスクリーニング
国際規範に基づくスクリーニングは、国連やOECD、国際労働機関などの国際機関が定めるルールに違反していたり、最低限の基準をクリアしていない企業や投資案件を排除する方法です。
【成長率303.4%】エンゲージメント・議決権行使型
実際に企業と直接議論してリスクとビジネスチャンスについて分析する方法です。
投資する人と企業がお互いの考え方や期待することを共有することで、長期的に業績とリターンを向上させることが期待できます。
【成長率112.7%】ポジティブスクリーニング /ベスト・イン・クラス
わかりやすい例でいうと、再生可能エネルギーの発電や自然環境に配慮した製品の製造を行う企業、女性の地位向上を推進する企業などを選んで投資する方法です。
また、ネガティブスクリーニングで排除されたタバコ製造業などであっても業界をリードするチカラがあり、サスティナビリティへの取り組み成果が見込めるようであれば選ばれることもあります。
【成長率15%】サスティナビリティ・テーマ投資
社会問題や環境問題の解決方法を提案している企業に投資する方法です。
特に、
- 人口増加の問題
- 発展途上国の成長
- 天然資源の枯渇
- 安全な方法でのエネルギー供給
- 気候変動による問題
などに取り組む企業があげられます。
【成長率-14.2%】インパクト/コミュニティ投資
社会や環境に大きな影響を与えると同時に、大きなリターンを生み出すことを目的にした投資方法です。
特に資源を効率的に利用するための製品やサービスの提供が一般的です。
分野は
- 気候
- エネルギー
- 水
- 健康
- 食品
などが一般的とされています。
日本では-14.2%とマイナス成長ですが、アメリカでは139%、オーストラリア、ニュージランド、カナダでは40%以上の成長をしています。
ESG投資でもリスクもデメリットもあることを忘れずに!
「環境によくて、社会にも良くて、経営している会社がしっかいしていれば、投資は間違いなく成功する!」
と思いたくなってしまいますが、「投資である以上リスクもある」ということを忘れてはいけません。
さきほど紹介した投資戦略の他にも、実際に自分で少額運用しながら学んだり、専門家の話を聞いたり、専門書を読むことで知識を身に着けるを忘れてはいけません。
今すぐESG投資をする方法2つ
今すぐESG投資をするのであれば、1万円からの少額投資から勉強しながら始めたり、ESG投資に詳しい専門家に相談して始まりする方法があります。
他にも、クラウドファウンディングなどから、さきほど述べた7つの戦略方法を使って、「これは伸びる!応援したい!」という投資案件をみつけてみてはどうでしょうか?
<span金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」。日本のESG投資割合18.3%と大幅飛躍 | Sustainable Japan
https://sustainablejapan.jp/2019/04/02/gsir-gsia-2018/38613
<spanESG投資の世界的な高まりのなかで伸び悩む投信 | 東証マネ部!https://money-bu-jpx.com/news/article013531/
<span今のうちに知っておきたい「ESG投資」の7つの形態:スクリーニング、サステナビリティ、インパクト投資など | データのじかんhttps://data.wingarc.com/7-types-of-esg-investment-12005
2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW
http://www.gsi-alliance.org/wp-content/uploads/2019/03/GSIR_Review2018.3.28.pdf?utm_source=The+IIG+Community&utm_campaign=60a39c9e1c-EMAIL_CAMPAIGN_11_30_2018_11_56_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_4b03177e81-60a39c9e1c-71997937
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