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海面上昇の原因は氷山・氷河の融解だけじゃない?海面が20cm~100cm上昇した時の被害・影響とは?

環境問題

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の発表では世界の海面上昇は少なくとも18~59cm上昇すると予測がたてられています。

 

一般的には陸地にある氷山や氷河が溶けることが原因と思われがちですが、実際は海水温度の上昇による膨張が1番大きな原因とされています。

例えば、海水温度の上昇は海の多くの生物を殺してしまっています↓
海水温度の上昇が原因!?1年で95%のサンゴ礁が白化…壊滅的な現状から回復するために私達ができることは?>

 

それでは、実際に海水温度があがり、海面上昇が起こると私たちが住んでいる日本やその他の国はどんな被害に襲われるのでしょう。

 

すでに現状でどんな被害がでているのか見ていきましょう。

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世界的に見られる海面上昇の現状とは…

沈む、沈むと言われているツバル

 

ツバルは海面上昇の影響を大きく受けている国として有名です。

 

ツバルは国土の全てが環礁から成る島国です。

 

環礁とは一言で表すと、リング状のサンゴ礁に囲まれた水域(潟湖)一帯のことを指します。

 

↑画像でみるとわかりやすいのですが、一番手前にある大きな環が「環礁」です。

 

スバルのような環礁から成る島々は、サンゴ礁の土台の上にサンゴの礫や有孔虫の砂が打ち上げられて形成されています。

 

そのため、国土が狭小で低く平らであるという特徴を持ちます。

 

ですので、珊瑚の外側の海水面が上昇すると簡単に影響を受けてしまうのです。

 

スバルでは、沿岸部に暮らす人々の生活領域が水没の危機にされされています。バル政府はこのような人々を「環境難民」と称し、近隣のオーストラリアやニュージーランドに彼らの受け入れを要請していますが、完全には受け入れられていない状況です。

 

人々だけでなく、沿岸部の生態系も海面上昇により変化しています。

 

スバルの周囲の海水面がどの程度上昇したのか、どの程度上昇するのかに関する数値はさまざまな見解があるため、ここで断言することはできません。

 

しかし、標高の低いスバルにとっては、わずかな上昇でも脅威となるのは、さきほどの写真をみれば、わかってもらえると思います。

 

厳密に言えば、ツバルの水没危機を招いているのは海面上昇だけではありませんが、海面上昇が原因の1つであるのは確かです。

 

国土の80%が海抜1m以下のモルディブ

モルディブはインド洋に浮かぶ1200以上もの島々から成る国です。

 

そして、モルディブもまた環礁からなる島国であり、スバルと同様に、その国土の約80%海抜1m以下と非常に低くなっています。

 

また、暴風雨の度に高潮に見舞われ、島の浸食だけでなく、地下水と海水が混濁して生活用水の入手が困難に成るなど、住民の生活が深刻な危機に瀕しています。

 

洪水と共に暮らすオランダ

オランダは海抜0mの低地に位置する国であり、国土の約26%海水面より低いところにあります。

 

そして、その海抜0mの土地には人口の約21%の人々が生活しています。

 

オランダはその地形から過去に何度も洪水の被害に見舞われてきましたが、その対策としてダムや防波堤などなどが建設され、国を守ってきました。

 

しかし、オランダでは、このまま海水面が上昇し続ければ、今の設備では被害を免れることは到底できないとされ、新たな対策の導入が急速に進められています。

 

21世紀中に沈むと言われるバングラデシュ

バンクラデシュもオランダ同様海抜0mの国です。

 

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)ではこのうよに予測されています。

200本以上の川を有するバングラデシュは、2050年までに地球温暖化による海面上昇で陸地の17%を失い、環境難民が2000万人発生し、食糧生産高が30%程度減少する。

 

さらにNASAゴダード宇宙研究所のジェームズ・ハンセン所長は、バングラデシュは今世紀末までに海底に沈むとの厳しい予想をたてているそうです。

 

国土の12%を失うベトナム

イギリスの国際開発庁の調査によると、もし海水面が1m上昇するとベトナムは国土の12%を失うことになり、それによってなんと総人口の23%もの人々が悪影響を受ける可能性があるそうです。

 

実際にベトナムの約3200キロにも渡る沿岸地域では、現在約8400万人が生活をしています。

 

特にメコンデルタ地方は海抜2m以下の低地が圧倒的に多く、ホーチミンシティ行政圏と呼ばれるエリアも同様に海抜2m程度しかありません。

 

従って、海水面の上昇は住民だけでなく国の重要機関にも被害を及ぼすのです。

 

21世紀中に1日に2度水没するイタリア-ベネチア-

「水の都」「運河の都」などの愛称で知られるベネチアは、街そのものの存続を左右する脅威にさらされています。

 

2009年に嵐と高潮が原因でイタリアの古都ベネチアの約75%が水没しました。

 

2018年10月29日には、ベネチアの名所サン・マルコ広場が閉鎖されるほどの洪水が起き、水位は観測史上4番目に高い1.5mを記録

 

11人の死者を出すなど深刻な被害を及ぼしました。

 

ベネチアは海抜が低く、海面上昇の影響を直接受けます。

 

気候変動によって、地中海沿岸は21世紀末までに約1.5m近く海面が上昇するとの推測があり、これが現実のものになれば、ベネチアは日に2度水没することになります。

 

現時点でも年4回、深刻な水害に見舞われている状況です。

 

↑対策として、「MOSE」(Modulo Sperimentale Elettromeccanico)という可動式の防波堤で街とラグーン(潟)を守ろうという計画などが行われていますが、長期間にわたって洪水を防げるかどうかも定かではなく、深刻な問題を抱えています。

 

このように、今例を挙げただでも、既に様々な国で海面上昇の影響が見られています。

 

海面上昇が進めば、この7か国以外にも大きな被害を受ける国が出てくるでしょう。そして、それは島国である日本も例外ではありません。

 

2100年には80cm上昇する!?そして、どうなる?

ナショナルジオグラフィックの記事によると、地球の海面はこの100年間で平均20㎝も上昇しました。

 

引用:気象庁

また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が3年前に出した予測では、温室効果ガスの排出量次第で、海面水位は2100年までに28~98cm上昇するとされいます。(このIPCCの予測は、陸氷の融解を考慮せずに出されたものです。 )

 

どうなるのか?ということを説明する前に、海面上昇が起きる原因を2つ紹介しておきます。

世界中の氷が溶けている!?海面上昇が起こる2つの原因

地球環境研究センターや気象庁などによると、海面上昇の原因は大きく2つあると言われています。

1.地球温暖化による氷河・氷山・ひょうなどの融解

研究者の間で海面上昇の原因として、まず第一に考えられるのが氷河の融解です。

 

あなたも南極やグリーンランドの氷河が急速に解けていて、その影響により海水面が上昇している、という話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

確かに、大きな氷河を有するこれらの大陸が与える影響は大きいのですが、実はそれだけではありません。

 

なんと、山岳地域の氷河の融解も海面上昇を引き起こしているのです。

 

2019年4月8日、学術誌「Nature」に、世界中で融解した氷河が海面上昇にどのくらい影響を与えているかを数値化した研究が発表されました。

 

研究によると、1961年に記録がつけられるようになってから2016年までの間、南極とグリーンランドを除く氷河(山岳氷河)の融解によって海面が27㎜上昇したそうです。

↑グリーンランドの氷が予想を超える速度で溶けているドキュメンタリー映像。

 

NASAの観測では、1993年以来、全体として海面は年に3㎜ずつ上昇しており、その3分の1ほどが山岳氷河の融解水によるもの、という結果が出ました。

 

これはグリーンランドの氷床融解による海面上昇に匹敵するもので、南極の氷床からの融解水よりも多く、研究ではさらに、世界の山岳氷河の多くが100年以内に消滅するかもしれないとも言われています。

氷山がとけて20億人が水不足に!生態系に驚きの変化が… >

 

2.海水が温まって膨張するから

平均海面水位の推移

平均海面水位の推移 引用:気象庁

 

気象庁の報告によると、1993年から2013年までの海面水位の上昇量のうち約1/4が、表層水温の上昇に伴う熱膨張によるものと考えられるそうです。

 

しかしながら、オックスフォード大学の研究によると、1990年代前半には海水の熱膨張が海面上昇の原因の50%を占めていたのに対し、20年後にはわずか30%となっていたそうです。

 

海水の膨張も海面上昇を引き起こす要因ではありますが、やはり大きな要因は氷河の融解だと考えられます。

 

海面上昇がもたらす問題とは?

それでは、海面上昇が具体的にどんな被害を、私たちに与えるのかを一緒に見ていきましょう。

【水資源への影響】水質が悪化し水不足に…

海面上昇が発生すると、水資源に大きな影響が出る可能性があります。

 

海面が上昇することで、河川に海水が浸入するため、今まで水道水となる淡水を汲み上げていた取水口に海水が入ってくることになり、飲料水や工業用水の水質悪化につながります。

 

例えば、マーシャル諸島のようなサンゴ礁からなる島には、淡水レンズと呼ばれる地下水層があります。

 

海面が上昇すると、この淡水レンズに海水が浸入し、生活用水をこれに頼っている住民は水不足に見舞われることになる可能性があります。

 

また、この淡水レンズは雨水が地下に浸透してできるため、異常気象による雨不足が発生すれば、事態はより深刻になります

 

【農業への影響】稲作に深刻な被害を与え食糧不足に…

海面上昇は農業にも影響を与えます。

 

バングラディシュやベトナムなどデルタで稲作を営む地域には大きな被害が及びます。

 

もともと稲作は水を得やすい平らな地域で発展するため、水源の水位が上昇すると簡単に被害を受けてしまうのです。

 

これらは一例にすぎませんが、農業に影響がでると食糧問題が生じるため、非常に重要な問題です。

 

 

【漁業への影響】生態系が変わり、今までの水産資源がとれなくなる

また、農業だけでなく、漁業への影響も懸念されています。

 

海水面の上昇により、沿岸部で行われる養殖や、漁業は困難になる可能性もあります。

 

また、水中の生態系が変わり、地域の伝統的な水産資源が取れなくなることもあり得ます。

 

グリーンランドでは、漁業だけでなく、港が使えなくなることで、交易にも影響が出ることが懸念されています。

 

【住まいへの影響】住むところが限られ、人口が過密度に…

人間の居住地域への影響も重要な問題です。

 

最初に例に挙げたように、海面上昇により、オランダなどの低地やツバルなどの島国では、人の居住空間自体が存続の危機に直面します。

 

仮に安全に生活できる土地に移動したとしても、今度はそこで人口集中の問題が生じるのです。

 

【生態系への影響】ウミガメが出産・育児する場所がなくなる…

そして、人だけでなく動物や植物も影響を受けます。

 

海岸線が後退することによって、それまでそこに生息していた生物の生態系が変化してしまいます。

 

たとえば、砂浜を出産~保育の場とするウミガメなど、海岸部に生息する生物はたくさんいます。

 

しかし、海面上昇により、砂浜がなくなれば、出産〜保育をする場所を失うことになります。

 

これではウミガメの個体数はどんどん減っていってしまいます。

 

「海面上昇は嘘と言われる理由とは?」よく聞く5つの主張とは?

海面上昇は実際に起きている現実であることは間違いありません。

 

しかし、海面上昇に対する反論があるのも確かです。

 

よくある4つの主張も紹介しておきます。

北極の氷が溶けても海面の高さは変わらない!?

これは理科で習う質量保存の法則というのが関係しています。

 

質量保存の法則とは「物体の形が変わってもその質量は変化しない」という自然界の法則です。

 

質量保存の法則で説明すると凍っている氷とその氷が溶けてできた水の質量は変わりません。

 

つまり、北極海の上に浮く氷も北極の全ての氷が溶けて海水になったとしても、海水と氷の質量は変わらないことになります。

 

また、同じ質量では氷の方が水よりも体積が大きくなるため、北極の氷が水になることによる海面上昇は起こらないことになります。

 

ただし、海面上昇の原因でも説明したように、溶けた海水は温度が高くなることで膨張するので、海面上昇につながります。

 

また氷が溶ける事により地球の表面の色は濃くなります。

 

濃くなるということは、地球の熱吸収率が上がることを意味し、地球温暖化の原因となります。

 

南極の氷は増えている?

2015年にNASAの気象学者チームが科学誌「Journal of Glaciology」に掲載された論文の中で、「西南極の氷河質量の減少分は、降雪の増えた東部内陸で氷河が厚さを増したことで相殺されている」と結論を出しました。

 

その研究の調査結果によると南極の氷は毎年およそ1000億tずつ増えているそうです。

 

しかし、これは衛星を用いて計測されたデータであり、国立雪氷データセンター(NSIDC)の科学者やワシントン大学の研究者から、「これではデータが不十分」として様々な反論をよんでいます。

 

実際に南極の氷が増えているのか、減っているのかについて、計測することは困難とのことで、専門家の間でも意見が割れています。

 

しかし、1つ確かに言えることは、

「海面上昇=世界的な氷河・氷山の融解 >南極の氷の増加」

という事実です。

 

地球上の氷河は、確実に地球温暖化によって溶けつつあります。

 

 

海面上昇は「間氷期」が原因だから?

氷河期_氷期_間氷期_グラフ_氷河_氷山量

↑2019年現在は、「間氷期」と呼ばれる氷河期の中でも氷期と氷期の間にある、温暖な時期にあたいします。

 

画像を見て分かる通り、間氷期の特徴は、氷期に比べて気温が6~9℃ほど高く、氷河や氷山の量が極めて少なくなる時期でもあります。

 

海面上昇_氷期_間氷期

↑またJAMATEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)によれば、 氷河期になり、氷山や氷河が増えれば海面は最大で120m近く下がるというデータもあります。

 

実は沈むと言われたツバルの国土は広がっている!?

地球温暖化_南国

かつて海面上昇の脅威にさらされていると考えられ、「沈みゆく国」とも言われていたツバルは、実は、過去40年のあいだ、国土面積が拡大していたことが最近のオークランド大学の調査により判明しました。

 

その調査によると、9つの環礁にまたがっているツバルの島々の内、 8つの環礁で面積が拡大しており、海面上昇を考慮しても、1970年以来、国土面積は 2.9%広くなっていたそうです。

 

ツバルは環礁からなる島国のため、珊瑚が生きていれば、島が拡大する、と言うことも十分考えられます。

 

しかし、地球温暖化によって海水温度が上昇したり(珊瑚の生育最適温度は23~25度)、水質汚濁などの問題が起きたりすれば、珊瑚の生命が脅かされるばかりか、さらなる国土水没の危機に瀕することになります。

 

95%の珊瑚礁が白化した主な原因「海水温度の上昇…」>

 

バングラデシュの国土は失われない⁉

先に述べたような陸地の縮小予測は「川の堆積物による陸地の形成を考慮に入れていない」との指摘があります。

 

ダッカの環境地理情報サービスの研究者らが、過去32年間の衛星画像を調査したところ、バングラデシュの陸地面積が年間20㎢増えていることが明らかになったそうです。

 

CEGISのサーカー氏は、「ヒマラヤ山脈を水源とするガンジス川とブラマプトラ川で押し流された堆積物が陸地面積の増加の要因だ。」とみています。

 

バングラデシュ中部で合流するこれら2つの川が運ぶ堆積物は、年間10億t以上に及び、その大半が河口のベンガル湾岸に堆積し、新しい陸地を形成しているというのです。

 

バングラデシュ水資源開発委員会のラフマン氏も、サーカー氏の見解に賛同を示しています。

 

バングラディシュにはガンジス川をはじめとして豊かな運河が数多く流れています。

 

従って、その水流の体積作用で土地が形成されるというのも十分可能性があります。

 

しかし、それらは決して海抜の高い土地ではないため、仮にもし土地が拡大したとしても、海抜が低い地域では海面上昇による被害は出るでしょう。

 

海面上昇50cmで、環境はこんなに変わる!?

それでは、海面が上昇すると実際にどんな影響があるのか、海面が20cm~100cm上昇した時の被害状況を見ていきましょう。

そして、もし世界中の氷河・氷山が溶けたとしたら…

海面上昇20cmすると…

気象庁の予想では2100年には最低でも20cm海面が上昇していると予想されていますが、実際にどうなってしまうのでしょう?

 

海面が20㎝上昇すると、界で毎年高潮の被害を受ける人の数が1800万人増加すると言われています。

 

海面上昇50cmすると…

海面上昇_50cm_被害

↑海面が50㎝上昇するとエジプト北部のアレクサンドリアにある砂浜のほとんどが失われます。

 

予想では2100年には最大50cm海面が上昇していると予想されています。

 

海面上昇1mすると…

日本では、1m海面が上昇すると、日本全国の砂浜の9割以上が失われると予測されています。

 

また、海面が1m上昇すると大阪では、北西部から堺市にかけて海岸線は、ほぼ水没します。

 

東京でも、堤防などを高くするなどの対策をとらなければ、江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区のほぼ全域が影響を受けます。

 

また日本は沖ノ鳥島などの島によって排他的経済水域を保っているため、それらの島々が海面上昇により水没すれば、これまでのように豊かな海の恩恵を受けることは難しくなります。

 

地球上のすべての氷が溶けたら『66m海面が上昇…』

地球上には、現在(2019年)約2084万km³以上の氷があると言われていますが、この氷が溶けると、66mも海面が上昇するという試算がたっています。

 

 

この氷が全て溶け切るには5000年以上かかると言われていますが、二酸化炭素の排出量を抑えなければ、近いうちに、一部の都市がなくなる可能性があります。

 

↑北米ではニューヨーク、ボストン、マイアミなどの大都市が海に沈むと言われています。

 

 

海面上昇_ヨーロッパ_被害状況

↑ヨーロッパでは、ロンドン、、ベネチア、オランダなどの低地にある国・都市と別れを告げることになります。

 

海面上昇_アジア_浸水状況

↑アジアでは、現在、人口1億6000万人以上を抱えるバングラディシュ全土と人口460万人のコルカタも水に飲み込まれると推測されています。

 

 

また、カンボジアでは、メコンデルタが水であふれ、カルダモン山脈が島になります。

 

そして、上海は東シナ海に沈むでしょう。

 

海面上昇_オーストラリア_浸水地域

↑オーストラリアは、約80%の市民が生活する沿岸地域の多くを失います。

 

すでにオーストラリアでは、海面の上昇により島が浸水し、島固有種の「ブランブル・ケイ・メロミス」という種類の哺乳類が絶滅したことが発表されています。

↑世界初となる気候変動により絶滅した「ブランブル・ケイ・メロミス」

 

海面上昇_南アメリカ_アマゾン

↑南米では、アマゾン川流域やパラグアイ川流域が消え、ブエノスアイレスやパラグアイの大部分も崩壊します。

 

アフリカは、他の大陸に比べると海面上昇によって消失する土地は少ないとされています。

 

しかし、耐え難い熱波に見舞われ、大部分の地域で生活ができなくなるそうです。

 

もう、今の地球には戻れなくなってしまうのです。

 

海面上昇による各地域は「Sea Level Rise」というサイトで確認できます。

ぜひ、あなたが住む地域も調べてみてください。

 

海面上昇から都市・国を守るための対策2つ

これらの海面上昇の被害に備えて、各国では対策がなされています。

どんな対策がされているのか一緒に見ていきましょう。

果たして、効果的な対策とは…

都市計画で人口島を建設

モルティブでは、島が水没して住居を失った人々を受け入れるために、首都マレの北東に北東に人口島「フルマーレ」の建設を進めています。

 

島の広さを2倍にし、2050年ごろまでに集合住宅や商業施設を整備して、最大24万人(国の全人口の約2/3)が住めるようにする大プロジェクトです。

 

また、2019年4月3日の都市化に伴う居住問題を取り扱う国連ハビタットで、マサチューセッツ工科大学(MIT)やアメリカやイギリスを拠点として建築家・デザイナー・研究者が集まるBIG-BJARKE INGELSグループ(BIG)、海の上に人口島を浮かべた「水上都市」計画発表しました。

 

↑これらの水上都市はエネルギー的にも自立したものであり、住人を養うための食料は島で栽培されるそうです。

 

廃棄物、食料、水、そして交通のシステムはつながっており、天候による影響を強く受けそうな場合は都市をまるごと移動させることも可能になります。

 

海を埋め立てて土地を開拓していくことは、砂資源が貴重であること、湿地やマングローブが失われてしまうことから、もはや持続可能なものではありません。

 

それに加えて気候変動や海面上昇の影響に対処するために、水上浮遊都市は将来の居住スペースとして現実的に考えられる手段となっています。

 

陸ではなくて水上で暮らす

オランダでは、近年「水上で暮らす」という選択肢が生まれています。

 

首都アムステルダムでは、EUの資金援助を受けて、市民たちが「二酸化炭素の排出を極限まで抑えた新しい共同体」を目指して「スクーンシップ」というプロジェクトを進めています。

↑スクーンシップは運河に建設されており、運河の水と大気の温度差を利用してエネルギーを得る「ヒートポンプ」や太陽光発電を最大限活用する環境に配慮した仕組みになっています。

 

このように海岸線の後退に備えて、内地や他の土地へ移動するだけではなく、水上で生活していく、という新たな試みが行われています。

 

海面上昇を防ぐための取り組み6つ

これまで、海面上昇の現状や海面上昇がおきてしまった未来を紹介しました。

 

最後に、海面上昇の対策として、私たちに何ができるか考えてみましょう。

 

海面上昇の対策、というと難しく聞こえるかもしれませんが、海面上昇を引き起こす大きな要因は地球温暖化なので、地球温暖化対策が海面上昇への対策に繋がります。

 

ここで紹介するのは、それらのほんの一部なので、興味のある部分やできる部分から携わって頂けたら嬉しいです。

温室効果ガスの削減する4つのアイデア

じゃあ地球温暖化を防ぐためには、何をしたらいいの?というと、次のようなことです。

 

車を使わず公共の交通機関を使う

車での移動は、個人ごとに温室効果ガス(二酸化炭素)を排出することになります。

できるだけ車ではなく、電車やバス、または自転車を使って二酸化炭素の排出を削減しましょう。

 

節電をこころがける

それから、電気の8割は化石エネルギーで発電されているので、節電も大切です。

例えば、以下の4つは、環境によいだけではなく、あなたの生活を快適にするかもしれません。

Warm Biz / Cool Biz

厳しい猛暑の中で、中々冷房なしで夏を超す、というのは難しいですが、初夏や残暑、冬などは着衣の枚数や素材で調節してみましょう。

 

朝型生活

夜型だと、どうしても電力を使ってしまいますが、朝型生活に変えて、日光をたくさん利用するようにしましょう!

 

家族団らん

一つの空間に人が集まることで、無駄な電気(照明・暖房・冷房)の使用を最低限に抑えることができます。

その他

トイレの便器保温機能をできるだけオフにしたり、使わない電化製品のプラグをこまめに抜くだけで節電になります。

 

グリーンカーテンプロジェクト

グリーンカーテンとは、ゴウヤやヘチマなどのツル植物が育って、カーテンのようになったものです。

 

昼間に二酸化炭素の吸収に貢献するだけではなく、強い日差しや暑さを遮り、電気を使わずに快適な空間を生み出します。

 

実は、シンガポールでは既にグリーンカーテンを有したビルなどがいくつか建設されています。

 

再生可能エネルギー

発電時に温室効果ガスを排出する火力発電ではなく、水力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーを促進することで、地球温暖化の進行を食い止めます。

 

うちエコ診断

環境省では「うちエコ診断」というのが紹介されています。

 

うちエコ診断とは、資格試験に合格した専門の診断士が各家庭のライフスタイルに合わせた省エネ、省CO2対策を提案するサービスを提供することにより、受診家庭の効果的なCO2排出削減行動に結びつけるものです。

 

気候変動キャンペーン ~Fun to share 低炭素社会へ~

様々な企業・地域・団体が地球温暖化に関する最新の情報を共有して、楽しみながら低炭素社会を作っていこう、

 

そんな思いから生まれたのが「Fun to share」という取り組みです。

 

実際に、今どんな取り組みが行われているのかを知るだけでも、生活の意識が変わってくるのではないでしょうか?

地球温暖化を防ぐために私たちができる【18R】とは?>

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まとめ「海面上昇の理由は主な原因は地球温暖化。人口過密になり食糧不足になる」

海面上昇の主な原因は、地球温暖化による氷河・氷山の融解です。

 

紹介したように、海面上昇は、人の居住地を奪い、さらには食べ物を栽培している畑を奪います。

 

人口過密になれば、衛生環境をもとめて土地の奪い合いになったり、農業地が減ることで、食糧不足になり、食べ物の奪い合いが始まったりするかもしれません。

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ぜひ、今回知っていただいた「海面上昇がこのまま上昇すると…」という知識を、あなたのまわりの人にもシェアしていただけたらと思います。

 


藤本理恵(2007-08)地球温暖化による海面上昇を考える~南太平洋に浮かぶ小国ツバルを例に~, 立法と調査 271, 92-99立石雅昭(2004-07)ベトナム南部、メコンデルタの形成過程と海面上昇の影響, 新潟応用地質研究会誌 62, 9-15「地球温暖化だけでサンゴ礁の国は水没しない」東京大学 海洋アライアンスHPhttps://www.oa.u-tokyo.ac.jp/learnocean/researchers/cat/coral.html「気候変動の時代、『水に浮かぶ暮らし』は現実の選択だ」朝日新聞2019/03/09https://globe.asahi.com/article/12192741認定特定非営利活動法人HPhttp://www.foejapan.org/climate/about/effect_sealevel.html「水没危機に瀕する国、モルティブからの警鐘」日本経済新聞2013/07/02https://r.nikkei.com/article/DGXNASGG0100N_R00C13A7000000特集:シリーズ 地球と、生きる 温暖化で変わるグリーンランド PART1 緑の大地 2010年6月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JPhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/1006/feature03/_02.shtmlSea Level Change — IPCC
https://www.ipcc.ch/report/ar5/wg1/sea-level-change/気象庁|海洋の健康診断表 総合診断表 第2版https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/shindan/sougou/html_vol2/1_2_vol2.html海面上昇は予想を上回るペース、NASA | ナショナルジオグラフィック日本版サイトhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/083100030/Science Daily 「Global climate change: Underestimated impact of sea-level rise on habitat loss?」 June 13 2012https://www.sciencedaily.com/releases/2012/06/120613102247.htm海面上昇の3分の1の原因は山岳氷河の融解、研究 ナショナルジオグラフィック日本版サイトhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/041000218/水の都ベネチアが洪水で水没 悪天で高潮が発生 ナショナルジオグラフィック日本版サイトhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/110200475/気象庁 気候と海洋の知識 海洋への熱の蓄積についてwww.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/climate/knowledge/glb_warm/ohc.html海水温上昇が警告する地球異常気象の活発化 | nippon.com
https://www.nippon.com/ja/in-depth/a03505/JOG(507) 地球温暖化問題に仕組まれた「偽装」http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h19/jog507.html【衝撃】温暖化により水没の危機にある南太平洋の島「ツバル」、実は国土が拡大していた!! – edamame.https://edmm.jp/58246/「南極の氷が増えている」は本当か ナショナルジオグラフィック日本版サイトhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/110500311/南極の氷は、5年前の「3倍速」で消えている──衝撃的な研究の舞台裏|WIRED.jphttps://wired.jp/2018/07/09/antarcticas-stunning-ice-loss/地球上の氷が全て溶けたら、どうなる? —— 地図で見る海面上昇後の世界 | BUSINESS INSIDER JAPANhttps://www.businessinsider.jp/post-35081「地球温暖化により沈みゆく国家」と言われ続けた大平洋ツバルの国土面積が「実は大幅に拡大していたこと」ことが最新の研究で判明earth catastrophe reviewhttps://earthreview.net/tuvalu-is-growing-not-sinking/環境省 地球温暖化対策www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka.html気候変動キャンペーン Fun to sharehttps://ondankataisaku.env.go.jp/funtoshare/

 

日本と世界が抱える25の環境問題とは?
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